PM・チームリーダー
承認や返信の依頼を
拾い直す手間を減らしたい
進捗報告と依頼が混在し、確認済みの連絡まで何度も読み返している。
要対応・共有のみ・判断保留の候補を一覧に付け、原文と担当を確認する。どの順番で表示するかはアプリで決めます。
測るもの:依頼の見逃し/到着から確認までの時間/訂正込みの作業時間
OLLAMA × d3 / 業務連絡の仕分けを、どこまでAIに任せられるか
「承認してください」「共有だけです」「先ほどの件、お願いします」。メールやチャットを読み直して、返信・承認・作業の依頼を拾う。PMや窓口担当が繰り返すこの作業を、「要対応・共有のみ・判断保留」の一次分類で助ける使い方を考えます。
d3は、あらかじめ決めた選択肢に沿って判定するAIモデルです。Ollamaの対応により、手元のPCで動かし、分類結果や確率を業務アプリへ返せます。今回の価値は、連絡を仕分ける仕組みを、ローカル環境で試す選択肢が増えたことにあります。[1][2]
この記事の結論:分類先が決まっていて、似た判定を何度も行う仕事が検証候補です。採用は、重要な依頼の見逃しを抑えつつ、確認・訂正を含む作業時間が減るかで判断します。
ONE-PAGE BRIEF / まず、この1枚で
PMや窓口担当が、依頼を探して何度も連絡を読み直す手間。
文章と分類基準を渡し、仕分け候補を原文と並べて確認する。
見逃しと誤判定を調べ、訂正を含めても作業が軽くなること。
WHO / PROBLEM / CHANGE
d3の用途として、公式は問い合わせの振り分け、文書の仕分け、案件の優先度判定などを挙げています。以下は、その機能を現場の仕事へ当てはめた本記事の活用案です。削減効果を測定した事例ではありません。[2]
PM・チームリーダー
進捗報告と依頼が混在し、確認済みの連絡まで何度も読み返している。
要対応・共有のみ・判断保留の候補を一覧に付け、原文と担当を確認する。どの順番で表示するかはアプリで決めます。
測るもの:依頼の見逃し/到着から確認までの時間/訂正込みの作業時間
問い合わせ窓口・サポート担当
「請求」「返品・交換」「操作・障害」のどこへ回すか、本文を読み直している。
担当窓口と情報不足を別々の問いにして判定。人が候補を確認してから引き継ぎます。
測るもの:誤った窓口への振り分け/転送回数/初回確認までの時間
業務アプリ・AIアプリの開発者
文面に応じた処理の振り分けを、個別プロンプトや複雑な条件分岐で実装している。
質問と選択肢を定義し、APIの返り値で分岐する。FAQ参照・専門モデル・人への確認など、行き先の候補を判定します。
測るもの:振り分け後の品質/総費用/待ち時間/人への確認量
まずは人が原文を確認する一覧を作ります。「要対応」と出たことは、承認してよいことや、自分の担当であることの確定ではありません。担当チームや必要な前後の会話を入力に含め、実際に手間が減るかを確かめます。
WHAT CHANGED?
10月24日のv0.40.11リリースノートで、Ollamaがd3対応を案内しました。d3の開発元はvLLM Semantic Router。開発元資料には10月12〜13日の評価記録もあります。今回のニュースはOllamaから利用できるようになったことです。d3モデルページが示す必要条件は、Ollama 0.40.9以降です。[1][2][5]
入力は文章、項目を整理したJSON、静止画。質問ごとに「何を、どの基準で判定するか」を指定します。OllamaのSystem One APIでは、次の3種類を使えます。[2][3]
「どの窓口へ回すか」「要対応か共有か」など。最有力の選択肢と、各選択肢の確率を返します。
説明付きの選択肢:2〜26個
「承認の依頼が書かれているか」など。Yesに当たる確率を0〜1で返します。
API上の型名は noul
低い順に段階を定義します。返る値は、各段階の確率を使った平均値です。
順序付きの段階:2〜10個/番号は0から
「担当窓口」「承認依頼の有無」「緊急度」を1回のAPIリクエストに含められます。各質問は同じ入力を参照し、前の質問の回答が次の質問へ渡される仕組みではありません。結果に応じた順番や条件分岐はアプリ側で処理します。[4]
Ollama版d3は動画やBox/Track(位置や追跡に関する判定)に未対応です。開発元モデルの機能と、Ollamaで利用できる範囲は分けて読みます。[2]
DEFINE THE CRITERIA
ここでは、誰かへの具体的な依頼があるかを分類します。自分の担当かは、人が別に確認します。追加対応が不要と明記されていれば「共有のみ」。依頼があるものの、何について何を求めているか特定できなければ「判断保留」とする例です。
誰かに承認・返信・作業を求めており、何について何をしてほしいか読み取れる。
報告や共有が目的で、追加の対応や返信が不要だと分かる。
依頼の対象物や作業内容が不明、必要な文脈がない、または基準が競合する。
説明用の分類例 以下は人が作った期待結果です。理由の文章も編集上の説明であり、d3の実出力ではありません。
入力する連絡〈架空〉
金曜15時までに、見積案の承認または差戻しをご連絡ください。承認後に発注します。
この基準で期待する分類
要対応
承認または差戻しという行為を求めています。期限と、その後の発注も明記されています。
承認してよいかは、見積案の内容と権限を確認して別に判断します。
入力する連絡〈架空〉
本日の更新作業は完了しました。結果の共有です。追加の作業や返信は不要です。
この基準で期待する分類
共有のみ
作業完了の報告で、追加の作業も返信も不要と書かれています。
「返信」という単語だけで拾わず、「不要」の意味まで読めるかを確かめます。
入力する連絡〈架空〉
会議で話した件、いつもの流れでお願いします。
この基準で期待する分類
判断保留
依頼らしい表現ですが、この文だけでは対象と作業内容を特定できません。
会議の内容や前の会話を確認します。本文にない担当や作業は推測で補いません。
「判断保留」は本記事で設計した選択肢です。曖昧な文が必ずそこへ入る保証はないため、この種類の例を評価に含めます。
MODEL / RUNTIME / APPLICATION
Ollamaはモデルを動かしてAPIを提供する仕組み、d3は判定するモデルです。Teamsやメールの取得、原文へのリンク、一覧の並べ方、訂正の記録は周辺アプリの役割です。まずは連絡を手で貼り付け、判定候補と原文を並べる構成から検証できます。
入力でそろえるもの
連絡本文、必要な前後の会話、対象チーム、基準日、分類条件を渡します。「今日」「こちら」「例の件」が何を指すか分からない入力は、先に情報不足として扱う設計にします。
画面で見せるもの
原文へのリンク、分類候補、選択肢ごとの値、確認状態を並べます。APIエラーや文脈不足は「共有のみ」に落とさず、確認待ちの一覧へ戻します。
以下は公式の呼び出し形式を使い、この記事の架空例に置き換えた未実行の実装例です。Ollama 0.40.9以降とモデルの準備が必要です。[2][3][4]
CLI:3つの選択肢で分類する
ollama run d3:2b "本日の更新作業は完了しました。追加の作業や返信は不要です。" --ask "この連絡を分類してください。追加対応が不要と明記された報告はinfoです。依頼があるものの、何について何を求めているか特定できない場合はholdです。" --choice "action=誰かに具体的な承認・返信・作業を求める依頼" --choice "info=追加の対応が不要な報告や共有" --choice "hold=依頼の対象物や作業内容が不明、文脈不足、または基準が競合"モデルが未取得の場合、ollama runによってダウンロードが始まります。上の例は短い1件の動作確認用です。
API:POST http://localhost:11434/v1/systemone
{
"model": "d3:2b",
"state": {
"body": "本日の更新作業は完了しました。追加の作業や返信は不要です。"
},
"questions": {
"category": {
"type": "choice",
"instructions": "bodyの連絡を分類してください。追加対応が不要と明記された報告はinfoです。依頼があるものの、何について何を求めているか特定できない場合はholdです。",
"criteria": {
"action": "誰かに具体的な承認・返信・作業を求める依頼",
"info": "追加の対応が不要な報告や共有",
"hold": "依頼の対象物や作業内容が不明、文脈不足、または基準が競合"
}
},
"approval_request": {
"type": "noul",
"instructions": "bodyに承認を求める依頼が明記されていますか。",
"criteria": {
"true": "承認を求める依頼が明記されている",
"false": "承認を求める依頼が明記されていない"
}
}
}
}JSONをHTTP POSTの本文として送ります。選択肢はanswers.category.choice、各選択肢の確率はanswers.category.probabilities、承認依頼へのYesの確率はanswers.approval_request.noulから読みます。d3は理由の自由文や返信文を生成しません。
このHTMLの操作は例の表示切替・画像保存・コピーのみです。モデルや外部APIへの推論リクエストは送りません。
配布パッケージは4,096トークン設定です。タグ一覧の「256K」を、そのまま利用可能な長さとは見なしません。System One APIは長すぎる入力を自動で切り捨てないため、上限超過時はエラーとして確認待ちへ戻す処理を用意します。[2][4][9]
OLLAMA_NO_CLOUD=1でクラウド機能を無効にして再起動します。連絡取得アプリやログの保存先は別に確認します。[3][6]127.0.0.1:11434です。複数PCへ提供する場合は、その外側の認証やアクセス制御も設計します。[6]CHOOSE BY THE JOB
d3を選ぶかどうかは、欲しい出力から考えます。Ollamaのローカル生成モデルでは、JSON Schemaを指定して情報を取り出す「Structured Outputs」もあります。決まった選択肢への判定と、自由な項目の抽出・文章生成を分けて比較すると、役割が明確になります。[3][8]
| 方法 | 向いている仕事 | この場合は別の手段も検討 |
|---|---|---|
| ルール処理 | フォームの種別、部署コード、既知の条件で行き先が決まる。 | 文面の言い換えや、省略された意図の判定が多い。 |
| d3 | 固定の選択肢・Yes/No・段階評価を、さまざまな文章へ繰り返し適用する。 | 担当者名、日付、要約、理由文を自由な形で取り出したい。 |
| 生成AI+JSON Schema | 本文から担当者・期限などを取り出す、要約する、返信案を書く。 | 短い固定分類だけで足りる。形式だけでなく内容の正しさも検証が必要。 |
| 人による判断 | 前提が足りない、基準が変わる、権限や組織の事情を判断する。 | 定型的な仕分けの量が多いときは、候補提示で補助できるか検証する。 |
既存の項目や単純なルールで十分なら、それを比較の出発点にします。
たとえば入力を「FAQ参照」「コード相談」「複雑な検討」「人に確認」に分類し、アプリ側の表で呼び出し先へ結び付ける設計です。ただし、質問の種類が分かることと、どのモデルなら十分な回答ができるかは別です。
行き先ごとの回答品質、費用、待ち時間を測り、同じ入力を直接処理した場合と比べます。外部送信の可否や利用権限は、文章の推定だけに任せず、既知の設定で先に制限する構成を提案します。
HARDWARE / COST / EVIDENCE
d3はApache 2.0で公開されています。ダウンロードしたモデルを手元で実行する構成では、外部の推論APIに対する従量課金は発生しません。一方、PC、電力、導入・更新、分類基準づくり、誤判定の確認には費用と時間がかかります。[2][6]
| Ollamaの指定 | ダウンロード容量 | 公式の試験端末 Apple Siliconのメモリ | モデル読込時の ピーク割当量 |
|---|---|---|---|
d3:2b小さいモデルから検証 | 約3.1〜3.2 GB | 8 GB | 3.62 GB |
d3 / d3:4b省略時は4B | 約5.6〜5.8 GB | 16 GB | 5.63 GB |
d3:9b | 約10 GB | 32 GB | 10.09 GB |
d3:27b | 約29〜30 GB | 64 GB | 28.61 GB |
メモリ測定はApple Silicon/MXFP8配布/4,096トークンという条件でのモデル割当量です。OSや他のアプリを含む総使用量ではありません。その他の対応環境では通常タグがQ8_0を選び、使用量は異なります。表はWindowsの必要RAMを示すものではありません。[2]
端末の負荷を抑えるならd3:2bから。4Bも実行できる環境なら、同じ入力で見逃し、誤判定、待ち時間を比べます。大きいモデルが、その仕事で必ず費用対効果に優れるとは限りません。
公式Windows資料はWindows 10 22H2以降と対応ドライバーを案内しています。本体用に少なくとも4 GB、モデルには追加のディスク領域が必要です。実際の速度とメモリは、使う端末で測ります。[7]
MEASURE THE WHOLE WORKFLOW
最初の架空20件は、分類基準の曖昧さを見つけるための出発点です。その後は、基準を調整した例と、最終確認の例を分けます。同じスレッドの似た文が両方に入らないようにし、実際の連絡の割合に近い例と、重要な難例をそれぞれ確認します。以下は未実施の評価案です。
事前に決めた確認期限まで追跡した連絡について、期限までに確認されなかった要対応を数えます。「共有のみ」への誤分類に加え、保留・エラーのまま期限を過ぎた案件も含めます。時間内に人が確認した案件は含めません。
業務上の見逃し率 = 確認期限を過ぎた要対応件数 ÷ 実際の要対応件数
要対応候補のうち、実際に対応が必要だった割合を見ます。共有だけの連絡が大量に混ざると、人の負担が増えます。
適合率 = 正しい要対応候補数 ÷ 要対応候補の総数
保留率に加え、文脈不足なのに要対応・共有と決めた件数も数えます。保留を増やすだけで見逃しを減らしていないか、確認待ちの量と時間を見ます。
保留の件数と、保留すべき文を誤分類した件数を記録
入力準備、推論待ち、原文確認、訂正、確定までの時間を比較します。モデルの初回読込と、読込後の応答は分け、最大メモリとエラーも記録します。
同じ条件で、手作業・既存ルール・d3を比較
高い確率でも誤るため、「0.9以上なら採用」のような値を最初から固定しません。調整用の例で、重要なクラスの確率・上位候補の差・入力不足を見て確認待ちに回す条件を作り、別の例で見逃しと確認量を評価します。入力上限・通信・モデル読込のエラーは、スコアと分けて扱います。
記録するものは、Ollamaの版、モデルタグと配布形式、PCとメモリ、質問・選択肢の版、入力本文と長さ、人の正解、各選択肢の値、処理時間、訂正結果です。モデルや基準を変更したら再評価します。
閾値による確認待ちへの振り分けはアプリ側の提案であり、d3が提供する正確な棄権保証ではありません。
採用理由は「PCでAIが動いた」から一歩進めて。
「必要な依頼を拾い、確認の手間が減った」ことを確かめる。
SOURCES & SCOPE
確認範囲:2026年10月25日時点の公式資料を参照しています。モデルカードや現行ドキュメントは更新されるため、導入時は利用する版の仕様を再確認してください。Ollama・d3を実行しての測定は行っていません。日本語での分類精度、手元PCの速度、確認時間の削減、Jevとの互換性は未検証です。図解、架空の連絡、分類基準、構成例、評価案は本記事の制作物であり、導入実績としては扱いません。