PM・チームリーダー
週報の材料が、複数の場所に散らばっている
- いまの手間
- タスクDBと会議メモを読み直し、今週の進捗や判断待ちの事項を拾っている。
- AIに任せる作業
- 対象週と参照先を指定し、更新内容・遅れ・確認待ちを整理する。
- 受け取る成果物
- 各項目に出典を付けた週報の下書き。
- 人が確かめる点
- 日付、担当者、完了の根拠。更新がない項目を「進捗なし」と決めつけない。
- 比べる指標
- 情報収集と確認・修正の時間、重要事項の抜け。
NOTION / 2026年10月19日の発表を読み解く
資料集めから、報告書の下書きまで。
Notionは、AIが複数の手順を続けて実行できるよう、Notion AgentとCustom Agentsの実行基盤を作り直しました。再起動などへの備えと、長い会話・大量の検索結果を整理する工夫を組み合わせています。[1]
たとえば、PMの週報づくりなら、資料を探して進捗を整理し、根拠付きの下書きを作るところまで任せる使い方が考えられます。何を任せ、何を人が確認し、どの手間を減らせるかを、3つの業務例で説明します。
ONE-PAGE BRIEF
誰に:複数の資料から報告・調査・更新案を作るPM、開発担当、社内文書の管理者。
任せる仕事:指定資料を読む → 情報を照合する → 出典と未確認事項を付けた下書きを作る。
確かめる効果:必要な項目の抜け、根拠の誤り、確認・修正に使う時間、消費クレジット。
Notionは長時間の作業を支える実行基盤を刷新しました。公式発表では単一タスクが従来5分から24時間超に対応すると説明しています。作業の待ち行列と実行処理で再起動などに備え、長い会話を要約し、大きなツール結果を会話の外に置きます。ブラウザや短いコードも利用します。
使い方の提案は、PMの週報の下書き、開発担当の仕様変更の影響一覧、文書管理担当の見直し候補です。人が資料と成果物を指定し、AIが調べて整理した後、人が根拠と抜けを確認します。まずは内容を知っている資料で1件試し、確認・修正の時間、抜け、消費クレジットを比べます。手動はNotion Agent、定期・自動実行はCustom Agentsを使い分け、権限と費用を確認します。
誰の、どんな手間を減らせるか
本記事の提案 以下は、Notionの資料検索・ページ作成などの機能を基に考えた使い方です。各業務の成功率や時間削減は測定していません。[2][3]
PM・チームリーダー
開発担当・レビュー担当
社内Wiki・手順書の管理者
長時間化が役立つのは、調べる・比較する・まとめると手順が続く仕事です。 一文の修正や、条件が決まった単純な集計なら、短いAI依頼や既存の自動処理で十分な場合があります。担当者が答え合わせできる仕事から選びます。
どちらのエージェントを使うか
Notion Agentは、その都度チャットで依頼する個人向けのエージェントです。Custom Agentsは、決めた日時やデータの変更をきっかけに、バックグラウンドで動かす用途に向いています。[2][3]
| 確認する点 | Notion Agent | Custom Agents |
|---|---|---|
| 始め方 | チャットで仕事を依頼する。 | 手動で試し、定期実行やイベントを設定する。 |
| 向く場面 | 一度だけの調査。資料や依頼文を変えながら試す。 | 毎週の報告、更新が入った資料の整理など。 |
| 参照・編集権限 | 依頼者本人が持つ権限に従う。 | エージェント専用に許可した権限で動く。 |
| 利用条件 | 使えるAI機能と利用枠を、自分のプランで確認する。 | Business / Enterprise。作成・編集・操作はWebまたはデスクトップ。 |
| 最初の試し方 | 対象ページを指定し、下書き1件を依頼する。 | 参照先・出力先・費用を設定し、手動実行で確認する。 |
出典:Notion Agent、Custom Agents、共有と権限の公式ヘルプ。[2] [3] [4]
外部のチケット管理やチャットを使う例は、対応する接続と権限が設定されていることが前提です。最初の試行は、Notion内に用意した資料だけでも始められます。
長い作業を、どう続けるか
今回の中心は、AIに資料や道具を渡し、作業を進める周辺の仕組みです。一般にハーネスと呼ばれ、モデルを呼び出すだけでなく、処理の実行や情報の持ち方を管理します。
図は左右にスクロールできます。
1 / 再起動などに備える
各セッションを専用サービスで扱い、キューを使うワーカーが作業を進めます。キューは仕事の待ち行列、ワーカーは処理を実行する役割です。[1]
2 / 読む量を減らす
必要に応じてモデル提供元の圧縮機能を使い、長い会話を整理します。大量のツール結果も会話内に詰め込まず、各手順で読み直す量を減らします。[1]
3 / 処理方法を選ぶ
エージェントが使うコンピューターで、ブラウザ操作やスクリプト実行を行います。集計などはコードで処理する方法が取れます。[1]
この説明だけでは、保存方式・正確な再開位置・外部操作の重複防止までは分かりません。 実務では、同じ項目の二重登録や、途中で抜けた作業がないかを別に確認します。会話の要約後も、重要な条件と根拠が成果物に残るかを見ます。
仕事に組み込む具体例
本記事の想定例 1つのプロジェクトのタスクDBと会議メモから、対象週の週報を作る例です。以下の資料と出力は、説明用に作成した架空の内容です。
図は左右にスクロールできます。
| 入力にある記述 | AIが作る下書き | PMが確かめる点 |
|---|---|---|
| タスクA:「テスト完了」。完了日の記録あり。 | 完了 テストを完了。 根拠:タスクAの完了記録。 | 対象範囲と完了日が、報告する週に合っているか。 |
| 会議メモB:「来週、仕様を確定する予定」。 | 予定 仕様確定は来週の予定。 根拠:会議メモB。 | 確定済みとして報告していないか。担当者・期限は合っているか。 |
| タスクC:対象週の更新がない。 | 未確認 最新の進捗は資料から確認できず。 | 担当者に確認する。「進捗なし」「遅延」と推測で確定しない。 |
対象期間、参照してよいページ、下書きの保存先、必要な項目を指定します。資料の日時が食い違う場合は、両方の根拠を残すよう依頼します。
必要な事項がそろい、各項目に根拠か「未確認の理由」があるかを見ます。公開予定日や顧客への約束を含む記述は、PMが確定してから共有します。
発表の数字をどう読むか
数字ごとに、何を測ったのかを分けて読む必要があります。下表はいずれもNotionの公表内容です。
| 公表値 | 何の数字か | 読み方 |
|---|---|---|
| 5分 → 24時間超 | 単一タスクを扱える時間 | 同じ記事の技術説明では「24時間」と記載。厳密な上限や、24時間の完走保証とは扱わない。 |
| 平均約90%低コスト | Autoと比較対象モデルの費用 | 20種類超の一般的な用途での同社比較。月額料金や全業務の費用が一律に90%下がる意味ではない。 |
| 約30%低コスト | Custom Agent実行のテスト結果 | 実行基盤刷新に関する同社評価。Autoの約90%と同じ条件の比較とは示されておらず、合算・乗算して全体の削減率にはできない。 |
| 稼働率99.9%超 | 実行基盤が稼働している割合 | 成果物の正答率や、すべての仕事が完了した割合を示す値ではない。 |
| 最大50%高速化 | Web・モバイルでのエージェントの速度 | 仕事全体の所要時間が半分になる、と読み替えない。 |
Autoは、仕事に合うモデルを選び、必要に応じて途中でも切り替える仕組みです。公式発表はOpus 5.5・Astraとの比較を「約90%低コスト」と説明し、AutoのヘルプはOpus 5.5比で「平均87%低コスト」と記載しています。比較対象と記載箇所を添えて扱います。[1][8]
Autoのヘルプでは、数千の実タスクを模擬Notion環境で再実行し、AIによる比較評価などを使った方法を説明しています。人が自社の成果物を受け入れた割合や、日本語の週報を作る時間の実測ではありません。モデルや仕事の条件が変われば、結果も変わります。[8]
公式発表は、基盤刷新に関する各数値の詳細な標本数・測定期間・業務別条件を示していません。本記事ではNotionの実アカウントによる長時間実行、品質、費用削減を検証していません。
使える時期と、費用の確認
これは新クレジット制度の適用日です。自分の付与量や残高は Settings → Notion AI → Usage で確認します。[5]
| 利用枠 | 主な用途 | 月間の付与量・支払元 |
|---|---|---|
| Standard | 個人のNotion AgentでAutoを使う。 | 原則、1メンバーあたり1,500。 |
| Select | 個人のNotion Agentで、Select対象のモデルを選ぶ。 Custom Agentsの標準的な支払元にもなる。 | 原則、1メンバーあたり500。 共有Custom Agentも、既定では所有者の枠を使う。 |
| Notion credits | 管理者が予算を付けたCustom Agents、高消費モデル、利用枠を超えた追加利用など。 | ワークスペースで管理・購入する残高。 管理者の設定と契約を確認する。 |
付与量は契約・購入条件で異なります。StandardとSelectは合算・譲渡・翌月繰り越しができません。Custom AgentsでAutoを選んでも、個人のNotion AgentのStandard枠と同じ扱いにはなりません。[5][6]
既存Custom Agentsの支払元にも注意。 ヘルプでは、2026年11月2日より前に作られた既存Custom Agentsは、引き続き共有ワークスペースのクレジットを使うと説明しています。記事の一般表だけで判断せず、各エージェントの Credit source を確認します。[6]
測り方の提案
失敗・やり直しを含む総消費クレジットを、人が受け入れた成果物の件数で割ります。人の確認・修正時間も併記すると、任せる価値を比較できます。
公式ヘルプは、進行中のタスクを完了するために上限を超過する場合があると説明しています。消費の確認と、必要に応じた一時停止も使います。[9]
| 機能 | 発表時点の説明 |
|---|---|
| ChatGPT契約の接続 | 対象の個人向けChatGPT契約で提供開始。個人のNotion Agentが対象で、Custom Agentsは対象外。 |
| 自社のモデルAPIキーを使うBYOK | Enterprise向けのprivate alpha。一般提供としては扱わない。 |
| AI Command Center | 管理機能をまとめる画面は「近日提供」と説明。既存の利用状況画面と区別する。 |
資料と成果物を、誰に見せるか
個人のNotion Agentは、本人が見たり編集したりできる範囲で動きます。Custom Agentsには独自の権限があるため、共有相手が元ページを直接読めなくても、エージェントの回答を通じて内容を取得できる場合があります。 参照先と、エージェントを共有する相手を一緒に確認します。[4]
図は左右にスクロールできます。
個人のNotion AgentのReview for meは、AIが操作を審査する設定です。人と同じ問題を必ず見つける保証はありません。Custom Agentsは、それぞれ別の承認設定を持ちます。[7]
運用の提案
Custom Agentの入力資料は閲覧権限、出力先はレビュー用ページへの編集権限に限定します。正式な更新や共有は担当者が行い、まず下書きの品質を確かめます。
指示文に「この資料だけ」と書くことと、接続・権限を限定することは別です。実際の参照範囲は、Custom Agentの Tools and access でも指定します。個人のNotion Agentでは、自分がアクセスできる範囲とチャットのソース設定を確認します。[2][3]
最初の1件から、利用判断まで
本記事の評価案 まずは過去の週報1回分で出力を確認し、使えそうなら5回分の資料で比較します。件数と判定基準は試行用の提案で、Notionの推奨値や実績ではありません。
対象週、資料の版、必要な報告項目を固定。重要事項と根拠をPMが先に用意し、AIの出力を答え合わせします。
Notion Agentで対象ページと出力先を指定。接続、権限、承認設定、使えるクレジットを確認します。
更新なし、資料の食い違い、参照できない資料、旧版混在などを含めます。存在しない出典や、途中で抜けた項目も確認します。
作成後に参照権限・共有先・支払元・上限を設定。結果と消費を確認してから、必要な頻度のトリガーを有効にします。
| 測るもの | 記録方法 | 試行の合否条件の例 |
|---|---|---|
| 抜け・誤り | 重要事項の抜け、誤った日付、出典が支えない主張。 | 重大な抜け・誤りがあれば原因を直し、再評価する。 |
| 人の作業時間 | 依頼・確認・修正・最終反映の時間。AIの待ち時間は別記録。 | 合計時間の中央値が、従来より短くなる。 |
| 消費とやり直し | 再指示の回数、失敗・再試行を含むクレジット。 | 受け入れた成果物1件あたりの消費が、事前予算に収まる。 |
| 権限・共有 | 対象外情報の出力、未承認の送信、正式データの変更。 | 発生時は止めて設定と原因を確認する。 |
モデル設定、参照資料の版、承認設定、実行日時も記録します。Autoでは内部で選ばれるモデルを固定できず、結果が変わる要因になります。個人チャットでAutoがどのモデルを使ったかは表示されないと、公式ヘルプに記載されています。[8]
5回の評価で問題が見つからなくても、他の部署・資料や24時間の無人運用まで確認できたことにはなりません。通常業務へ進む場合も、対象範囲を段階的に広げます。
角括弧の欄を埋め、画面のソース・権限・支払元も確認して使います。コピー操作ではデータを送信しません。
依頼文に上限を書くことは、強制停止の設定にはなりません。費用の監視や停止は管理画面と担当者の運用で補います。Custom Agentsの利用状況はActivityやInsights、クレジットの管理画面で確認できます。[3][9]
任せる範囲は資料の収集・整理・下書き作成まで。担当者が根拠と不足を確かめ、従来より手間が減ったかを比べます。その結果を見て、繰り返す仕事をCustom Agentsへ移すか判断します。
公式発表は2026年10月19日公開。ヘルプの公開日は表示がないものがあり、すべて2026年10月20日に確認しました。製品や制度の記述は、確認時点の公式説明に基づきます。