今日の深掘り — 自社で動かす独英の文書AI

ALEPH ALPHA / KOLIBRI—1

78Bを自社で動かす。
独英特化のKolibri3.46B稼働でも、重みは約78GB。計算量とメモリを分けて読む

Aleph Alphaは10/3、Kolibri-1を公開した。独語・英語を中心に、推論とツール利用を備えるMoEモデルだ。78Bの全体から、トークンごとに3.46Bを動かす。稼働範囲が小さくても、全体の重みは保持する。公式資料の数値と、本号の導入評価案を分け、8章で読む。

対象ニュース日:2026-10-04 JST公式公開:2026-10-03一次情報確認・制作:2026-10-05
78B
全体のパラメータモデル全体の容量
3.46B
稼働/トークン保持する全体とは別
≈78 GB
FP8の重み容量実行時の追加領域は別
262,144
複雑業務などの推奨上限最大1,048,576と区別

ONE-PAGE BRIEF

この1枚で、3つの数字を分ける

緑の領域はトークンごとの稼働範囲。メモリ容量の割合を示す図ではありません。

全体を保持し、一部を計算する。押して拡大 ↗
公式モデルカードを基に編集部が作成した模式図。画面のスクリーンショットではありません。数値の条件は下の各章をご覧ください。

THE TAKEAWAY

独英の文書を、自社で動かす選択肢

Aleph Alphaは2026年10月3日、独語・英語に重点を置くMoEモデルKolibri-1を公開した。推論モードとツール呼び出しを備え、自社でホストする文書処理や業務支援の選択肢として読む。

本号は10月4日号として公式発表を取り上げる。導入を考えるときは、稼働パラメータ、保持する重み、使う文書の長さを別々に確認する。

出典・位置付け:公式発表・モデルカード

WHAT IS OPEN

公開重みと、運用の責任を分ける

モデルカードのライセンス表記はApache 2.0。公開された重みと構成を利用する条件として確認する。学習コードや学習データのすべてが公開されている、という意味ではない。

自社ホストは配置とアクセスを設計できる選択肢。一方、データの取扱い、出力の確認、権限、ログ、保守は導入側の仕事として残る。「sovereign」という位置付けを法令適合の保証として扱わない。

出典・位置付け:公式モデルカード

ACTIVE ≠ TOTAL

78Bの全体から、3.46Bをトークンごとに動かす

総パラメータは78,103,074,560。1トークン当たりの稼働パラメータは3,457,573,120で、全体の約4.4%に相当する(本号による比率計算)。

2つのパラメータ数が表すもの
数値意味
78B 全体モデル全体の容量。稼働していない部分も保持する。
3.46B 稼働/tokenそのトークンの処理に動かす部分。メモリ容量の表記ではない。

出典・位置付け:公式モデルカード

CONTEXT IN PRACTICE

最大100万と、実務推奨26万を区別する

最大コンテキストは1,048,576トークン。一方、複雑なタスクや配信効率を重視する場合、公式は262,144トークン以下を推奨する。後者がネイティブのコンテキスト長だ。

最大値は、すべての文書で品質や応答速度を保証する数字ではない。長い文書を一括投入する前に、根拠を拾えるか、待ち時間と同時実行の条件を満たすかを実文書で確かめる。

出典・位置付け:モデルカード・技術報告

HUMAN IN THE LOOP

検索・文書処理・ツール利用は、人の確認と組み合わせる

公式が想定する用途には、独英のアシスタント、文書処理、検索拡張生成(RAG)、コーディング、ツールを使う業務が含まれる。出力を人が確認してから実行する構成が前提だ。

推論の強さはnone / low / medium / highから設定できる。ツール呼び出しはAPIや検索への接続を可能にするが、呼び出しの妥当性と結果の検証は組み込み側で行う。

出典・位置付け:公式モデルカード

THE MEMORY BUDGET

約78GBは重みだけ。運用全体の予算ではない

公式モデルカードはFP8の重み容量を約78GBと示す。稼働パラメータが少なくても、モデル全体の重みをメモリに保持する必要がある。

実行時にはKVキャッシュなどの領域も必要になる。必要なGPU構成は文書長、同時実行、実装に左右されるため、重みの78GBだけを機器選定や費用見積もりの根拠にしない。

出典・位置付け:公式モデルカード

WHAT WE HAVE NOT TESTED

日本語性能と、実業務の品質は未検証

Kolibriは独語・英語を中心に設計されている。本号では日本語の精度、実業務の速度、運用費用を実測していない。独英での設計意図から、日本語でも同じ結果が得られるとは推定しない。

公開資料の評価は開発元による評価として読む。学習データの言語比率やベンチマーク値には資料間の違いが見られるため、本号では順位付けや数値比較に使わない。

出典・位置付け:公式ブログ・モデルカード

TEST YOUR OWN DOCUMENTS

実文書・根拠・速度をそろえて、小さく評価する

ここからは本号の編集部提案。導入候補にする場合は、代表的な独英文書と人が確認した答えを用意し、利用条件を固定して評価する。

導入前にそろえる評価条件
評価の軸確認する内容
文書と根拠短文・長文、検索が必要な問い、原文にない問いを含め、根拠の位置と誤回答を記録する。
実行の条件文書長・同時実行数・推論モードを記録し、待ち時間とメモリ使用量を比較する。
承認と運用人の確認、ツール権限、失敗時の停止、ログと保守担当を定める。

出典・位置付け:編集部提案(公式要件ではありません)

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本号の要点図

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